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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第31章 【三十一話】散骨

□ ■ □
公園をのんびりと歩いて車に戻ると、景臣はトランクを開けてなにか取り出していた。
玲那は助手席に座って待っていると、景臣は運転席に戻ってきた。
「お弁当を作ってもらいました。クーラーボックスに入れていたので、少し冷たいですがどうぞ」
そう言って渡されたのは、茶色の紙袋。
玲那は受け取り、中をのぞき見ると、使い捨てのお弁当箱が見えた。
「飲み物もあります」
「……ありがとうございます」
マンションに帰ってからお昼を摂ると思っていたため、少し戸惑った。
「小牧にも言われましたが」
「はい」
「せっかくあなたを買ったので、これからは積極的に外に出ようと思います」
「……はい」
「見せびらかしたいですからね、あなたを」
「…………」
景臣は玲那のことを毒花と言うが、景臣の方がよほど毒のある言葉を吐いていると思う。それも即効性があるものではなく、徐々に蓄積していって最後にすべてを蝕んでしまう毒。
毒は毒にやられてしまうのだろうか。
そんなことを考えていると、景臣が袋からお弁当箱を取り出しているのが視界の端に見えた。玲那もそれに倣って、取り出した。
お弁当箱の上には、割り箸とお手拭きが乗っていた。
「小牧から召集がかからなければ、明日の天気次第ですが、どこかに出掛けましょう」
ふたを開けると、いつもの定食屋でなじみのある品々が詰め込まれていた。朝食後に景臣がいつもと違う動きをしていたが、お弁当を頼んでいたからなのかとようやくつながった。
「一応、聞きますが、行きたい場所はありますか」
玲那からリクエストがあるとは思っていないと言わんばかりの言葉だったが、景臣の読みどおり、行きたい場所があるわけではなかったので、首を振った。
「あなたも俺と同じで引きこもっていても平気な人なのか」
「……人がたくさんいるところは、疲れます」
「男の視線を感じて、身体が疼くから?」
「っ!」
公園をのんびりと歩いて車に戻ると、景臣はトランクを開けてなにか取り出していた。
玲那は助手席に座って待っていると、景臣は運転席に戻ってきた。
「お弁当を作ってもらいました。クーラーボックスに入れていたので、少し冷たいですがどうぞ」
そう言って渡されたのは、茶色の紙袋。
玲那は受け取り、中をのぞき見ると、使い捨てのお弁当箱が見えた。
「飲み物もあります」
「……ありがとうございます」
マンションに帰ってからお昼を摂ると思っていたため、少し戸惑った。
「小牧にも言われましたが」
「はい」
「せっかくあなたを買ったので、これからは積極的に外に出ようと思います」
「……はい」
「見せびらかしたいですからね、あなたを」
「…………」
景臣は玲那のことを毒花と言うが、景臣の方がよほど毒のある言葉を吐いていると思う。それも即効性があるものではなく、徐々に蓄積していって最後にすべてを蝕んでしまう毒。
毒は毒にやられてしまうのだろうか。
そんなことを考えていると、景臣が袋からお弁当箱を取り出しているのが視界の端に見えた。玲那もそれに倣って、取り出した。
お弁当箱の上には、割り箸とお手拭きが乗っていた。
「小牧から召集がかからなければ、明日の天気次第ですが、どこかに出掛けましょう」
ふたを開けると、いつもの定食屋でなじみのある品々が詰め込まれていた。朝食後に景臣がいつもと違う動きをしていたが、お弁当を頼んでいたからなのかとようやくつながった。
「一応、聞きますが、行きたい場所はありますか」
玲那からリクエストがあるとは思っていないと言わんばかりの言葉だったが、景臣の読みどおり、行きたい場所があるわけではなかったので、首を振った。
「あなたも俺と同じで引きこもっていても平気な人なのか」
「……人がたくさんいるところは、疲れます」
「男の視線を感じて、身体が疼くから?」
「っ!」

