この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第32章 【三十二話】波乱を呼ぶ遺言書

その一言に、これからの話し合いが和やかに進むものではないと示唆していて、玲那は背筋を伸ばした。
「今日、同席するのは、玲那さんと景臣、伯父さんとぼく、そして公証人二人と川端憂佳(ゆうか)さんと川端依里佳(えりか)さんと、向こうの弁護士。もしかしたら、川端多香枝(たかえ)さんも出席するかもしれない」
「まあ、順当だな」
「何事もなく終わればいいんだけど、中身を知っているらしい伯父さんの様子をみたら、かなり荒れると思うんだよねぇ」
小牧は大げさなくらいため息を吐くと、玲那と二つほど空けて、椅子に座った。
「玲那さんも座って。景臣も座ってと言いたいけれど」
「俺は今日は玲那の護衛だから、座らない」
「……うん、言うと思ったよ」
景臣は玲那の横の椅子を引くと、座るように促してきた。言われるがままに座ると、革張りの椅子はかなり座り心地がよかった。
しばらくそうやって待っていると、ドアがノックされ、景臣の父が入ってきた。
「川端さんはまだ来ていないか」
「うん、まだだね」
玲那は景臣の父が入室してきたのを見て、椅子から立ち上がった。
「あの……昨日はその、お疲れさまでした」
玲那の声に、景臣の父は玲那を見て頬を緩めた。
「ああ、そちらもお疲れだったね」
玲那が首を振ると、景臣の父は笑みを浮かべた。
それを見た景臣がどう思ったのか。玲那の前に出て、見えないように隠してしまった。
いきなり景臣の腕が目の前に現れたため、玲那は戸惑った。
「なんだ、景臣。私が盗るとでも?」
「…………」
「あの……?」
景臣は玲那を連れて出て、見せびらかせたいと言っていたのに、これでは逆の行動ではないだろうか。
「景臣と結婚するということは、玲那さんは私の大切な娘になるということだ。親交を深めてなにが悪い?」
「…………」
「今日、同席するのは、玲那さんと景臣、伯父さんとぼく、そして公証人二人と川端憂佳(ゆうか)さんと川端依里佳(えりか)さんと、向こうの弁護士。もしかしたら、川端多香枝(たかえ)さんも出席するかもしれない」
「まあ、順当だな」
「何事もなく終わればいいんだけど、中身を知っているらしい伯父さんの様子をみたら、かなり荒れると思うんだよねぇ」
小牧は大げさなくらいため息を吐くと、玲那と二つほど空けて、椅子に座った。
「玲那さんも座って。景臣も座ってと言いたいけれど」
「俺は今日は玲那の護衛だから、座らない」
「……うん、言うと思ったよ」
景臣は玲那の横の椅子を引くと、座るように促してきた。言われるがままに座ると、革張りの椅子はかなり座り心地がよかった。
しばらくそうやって待っていると、ドアがノックされ、景臣の父が入ってきた。
「川端さんはまだ来ていないか」
「うん、まだだね」
玲那は景臣の父が入室してきたのを見て、椅子から立ち上がった。
「あの……昨日はその、お疲れさまでした」
玲那の声に、景臣の父は玲那を見て頬を緩めた。
「ああ、そちらもお疲れだったね」
玲那が首を振ると、景臣の父は笑みを浮かべた。
それを見た景臣がどう思ったのか。玲那の前に出て、見えないように隠してしまった。
いきなり景臣の腕が目の前に現れたため、玲那は戸惑った。
「なんだ、景臣。私が盗るとでも?」
「…………」
「あの……?」
景臣は玲那を連れて出て、見せびらかせたいと言っていたのに、これでは逆の行動ではないだろうか。
「景臣と結婚するということは、玲那さんは私の大切な娘になるということだ。親交を深めてなにが悪い?」
「…………」

