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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第34章 【三十四話】嘘とほんと
言い負かされる姿は想像がつかなかったが、しかし、もしかしてその頃に鍛えられて今はあんななのかもしれない。
「……ところで、前からたまに出てくるイズキってのは……?」
「あぁ、景臣のお兄さんの名前だよ。泉が生まれると書いて泉生」
「お兄さまのお名前だったのですか」
疑問に思っていたことがひとつ、解決したけれど、それよりも今は重要なことがあった。
「それでは、どなたがそんな事実無根なことを」
もしかして、兄の泉生がそんなことを言ったのだろうかと思ったのだが、小牧が先回りした。
「泉生はそんなこと、言わないよ。ぼくが怪しいと思っているのは、家庭教師だね」
「……家庭教師」
玲那には付けられたことはなかったが、一部の子たちは家庭教師がいるという話を聞いたことがあった。
「ぼくたち三人同時に見てもらっていたけど、泉生はすぐに家庭教師を首にするんだよ」
「…………」
「というのもね、低学年の頃はまだしも、高学年になれば身体もそれなりになってくるから、色仕掛けで取り入ろうとしてくる人が中にはいたんだよ」
玲那は信じられなくて手で口を覆ったら、小牧が顔をしかめた。
「泉生と景臣は小さい頃からあんな感じできつい顔立ちだったからそうでもなかったんだけど、ぼくはこのとおり、アイドル顔だからね」
自分でアイドル顔と言ってしまうあたりどうなのかと思うが、かわいらしいイケメンであるので、間違ってはない。
「泉生は近寄りがたいオーラを出してるけど、景臣は小学生の頃はまだ素直でかわいくて、だから余計に泉生は景臣を放っておけなくて、かなり過保護だったんだよ。……逆にそれがいけなかったみたいで……」
「……ところで、前からたまに出てくるイズキってのは……?」
「あぁ、景臣のお兄さんの名前だよ。泉が生まれると書いて泉生」
「お兄さまのお名前だったのですか」
疑問に思っていたことがひとつ、解決したけれど、それよりも今は重要なことがあった。
「それでは、どなたがそんな事実無根なことを」
もしかして、兄の泉生がそんなことを言ったのだろうかと思ったのだが、小牧が先回りした。
「泉生はそんなこと、言わないよ。ぼくが怪しいと思っているのは、家庭教師だね」
「……家庭教師」
玲那には付けられたことはなかったが、一部の子たちは家庭教師がいるという話を聞いたことがあった。
「ぼくたち三人同時に見てもらっていたけど、泉生はすぐに家庭教師を首にするんだよ」
「…………」
「というのもね、低学年の頃はまだしも、高学年になれば身体もそれなりになってくるから、色仕掛けで取り入ろうとしてくる人が中にはいたんだよ」
玲那は信じられなくて手で口を覆ったら、小牧が顔をしかめた。
「泉生と景臣は小さい頃からあんな感じできつい顔立ちだったからそうでもなかったんだけど、ぼくはこのとおり、アイドル顔だからね」
自分でアイドル顔と言ってしまうあたりどうなのかと思うが、かわいらしいイケメンであるので、間違ってはない。
「泉生は近寄りがたいオーラを出してるけど、景臣は小学生の頃はまだ素直でかわいくて、だから余計に泉生は景臣を放っておけなくて、かなり過保護だったんだよ。……逆にそれがいけなかったみたいで……」