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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第34章 【三十四話】嘘とほんと
神経質と言われ、思い当たるところがある玲那は納得していた。
「景臣の事件は……あれはなんというか、オレの不手際だ」
「だけど……あれは」
「高校受験で気が回せなかった。……悔やんでも悔やみきれない」
そうして泉生は玲那に向き合った。
「景臣は……本来はとっても素直な性格をしているんだが、あいつが小学六年生のとき、それが原因で、事件に巻き込まれたんだ」
その事件というのはなんだろうかと思ったが、それは小牧が説明をしてくれた。
「さっき、景臣は一度信頼した人に対して、疑問に思わないって説明したと思うけど」
「はい」
「ちょうどぼくたちは高校受験で忙しくて、景臣は一人でいることが多かったんだ」
「いつも三人一緒だったのに、一人にすることが多かった」
三人が一緒であれば、おかしなことにすぐに気がついたのだが、警戒心は強いけれど、人を疑うことを知らない景臣は、家庭教師と一対一になることが多かった。そして──。
「家庭教師のチェックはきちんとしていたんだが……」
「いつもの家庭教師が病気で来られないからと代理で来たのが問題で、そいつは景臣にひどいことをしたんだ」
「ひどいこと?」
「刺したんだよ、景臣を」
「え」
信じられなくて、玲那はひゅっと息をのんだ。
「代理できたという人物は、景臣を言葉巧みに騙して、取り入ろうとしたらしい」
「だけど、なにかがおかしいと思った景臣は抵抗して、刺されたんだよ」
「そんな……!」
「景臣の事件は……あれはなんというか、オレの不手際だ」
「だけど……あれは」
「高校受験で気が回せなかった。……悔やんでも悔やみきれない」
そうして泉生は玲那に向き合った。
「景臣は……本来はとっても素直な性格をしているんだが、あいつが小学六年生のとき、それが原因で、事件に巻き込まれたんだ」
その事件というのはなんだろうかと思ったが、それは小牧が説明をしてくれた。
「さっき、景臣は一度信頼した人に対して、疑問に思わないって説明したと思うけど」
「はい」
「ちょうどぼくたちは高校受験で忙しくて、景臣は一人でいることが多かったんだ」
「いつも三人一緒だったのに、一人にすることが多かった」
三人が一緒であれば、おかしなことにすぐに気がついたのだが、警戒心は強いけれど、人を疑うことを知らない景臣は、家庭教師と一対一になることが多かった。そして──。
「家庭教師のチェックはきちんとしていたんだが……」
「いつもの家庭教師が病気で来られないからと代理で来たのが問題で、そいつは景臣にひどいことをしたんだ」
「ひどいこと?」
「刺したんだよ、景臣を」
「え」
信じられなくて、玲那はひゅっと息をのんだ。
「代理できたという人物は、景臣を言葉巧みに騙して、取り入ろうとしたらしい」
「だけど、なにかがおかしいと思った景臣は抵抗して、刺されたんだよ」
「そんな……!」