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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第35章 【三十五話】悪意
 次に目が覚めたときも、まだ身体が痛く、今度は全身が燃えるように暑かった。

「はぁ、はぁ……」

 と吐き出す息も熱く、しかも身体がばらばらになってしまいそうなくらい痛い。
 しかし、うっすらと目を開けることが出来たので開けると、知らない白い天井が見えた。

「玲那、俺が見えるか?」

 ぼんやりとだが、とても心配そうな景臣が見えた。気のせいか、頬がこけて見える。
 手を伸ばして頬に触れたくても腕が重く、言うことを聞かない。

「まだ身体が痛いだろう? 寝れるようなら寝てしまった方がいい」

 ──景臣さん、そんな悲痛そうな顔をしないで。

 玲那はそう言いたいのだけど、唇が縫いつけられたかのように開くことが出来ない。

「おやすみ、玲那」

 景臣の顔が近づいてきて、頬にキスが落とされた。
 景臣に愛されているような錯覚に陥り、玲那は幸せな気持ちで目を閉じた。
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