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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第36章 【三十六話】拒絶
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 気が付いたら部屋が真っ暗で、だけどいつの間にかガウンが着せられて、しかもしっかりと布団を掛けられていた。頭がずきずきして、瞼が腫れぼったい。どうやら泣きながら寝てしまったらしいと気がついた。

 そういえば今まで、景臣から抱きしめられたりキスされたりすることはあったけれど、玲那から行為中にというのは今回が初めてだったような気がする。
 景臣がなにをしてきても玲那が拒否をしないように、景臣も玲那の行為は受け入れてくれるといった傲慢じみた思いがあったのかもしれない。
 拒絶されたことがショックだったのもあったけれど、泣いてしまったのは、久しぶりの行為に心がついていってなかった反動も大きかったのかもしれない。

 入院生活の中で、玲那はますます景臣のことが好きだと自覚してしまった。
 好きな人に触れたいというのは自然な気持ちで、部屋にたどり着くなり、以前と同じように玲那のことを求めてくれたのは、複雑ではあるけれど、うれしかった。
 だけど結局、玲那は景臣のことが好きだけど、景臣はそうではないことを改めて分からされてしまった。玲那が景臣に抱き着こうとして拒絶されたのが、すべてを物語っている。

 景臣には自分の気持ちを伝えないと、この契約を結んだときに決めた。
 その時はそれは簡単にできると思ったけれど、玲那の中で景臣への気持ちが募れば募るほど、苦しくて──つらい。
 油断をしたら景臣へ気持ちを伝えてしまいそうなほど、今は心の中に好きという気持ちがあふれている。
 景臣に対して嫌なところがないわけではないけれど、それはまだ好きという気持ちを上回るものではないため、抑止力にはあまりなっていない。
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