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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第38章 【三十八話】第二の殺人
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 ザーッと思い出したように風が強く吹いて、雨とともにガラス戸を揺らしていた。

 道弘の四十九日の法要のために訪れていた寺で、川端依里佳の死体を発見した玲那は景臣に支えられ、どうにか立っていることはできた。
 景臣は冷静にスマートフォンを取り出すと警察に通報して──道弘の法要をすませた後、第一発見者として警察署で任意の事情聴取を受けているところだった。

「婚約者の四十九日の法要が行われる寺で婚約者の娘の死体を見つけた……ね」

 前も同じ人だったが、玲那が殺したという先入観の元で取り調べを行うので、やりづらくて仕方がない。事実を告げても、疑われる。またあの不毛なやりとりを何時間もしなければならないのかと思うと、かなりうんざりしていた。

「そもそも、なんだって雨の中に境内の端まで行こうとしたんだ」
「散策です」

 間髪入れずに答えると、取り調べをしていた警察官は思いっきり顔をしかめた。

「散策、だぁ? もう一度聞くが、雨が降っていたのに?」
「こういう機会がないと訪れない場所ですし、なによりも文化的価値の高い建物などが点在していましたから、見るべきだと思いまして、雨の中、散策いたしました」

 と伝えれば、ふんっと鼻であしらわれた。

「お嬢という人種が分からん」

 すぐに第一発見者が犯人と決めつけようとするあなたのことも分からないわ、と玲那は心の中で突っ込んでおいた。

 またもや必要以上に事細かく聞かれ、解放されたのは夕方だった。いくらなんでも拘束しすぎではないだろうか。

 玲那はぐったりとして、景臣の運転する車に乗った。

「依里佳さんを殺したのは、だれなのでしょうか」

 玲那は思わず、そう呟いていた。

「少なくとも、俺と玲那以外だな」
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