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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第39章 【三十九話】永久就職

□ ■ □
小牧とは、十朱の事務所で朝の十時に待ち合わせをしているということだったので、玲那は早めに準備をして待っていた。
役所は十朱の事務所のすぐ側にある。役所の側だからこそ、そこに建てたと景臣が説明をしてくれた。
いつものように景臣の運転で事務所へ行き、一階ロビーで小牧を待っていると、待ち合わせ五分前にエレベーターを使って降りてきた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「やー、玲那さんもとうとう人妻になってしまうのか」
小牧のその一言に、玲那の顔は真っ赤になった。
これは筒宮の家を支援してもらうための契約の一部とはいえ、小牧が言うように、玲那は景臣の妻となるのだ。それがたとえ書類上のみの関係になるかもしれないとしても、玲那は景臣と結婚したという正式な記録が残る。
「……役所に行く前に、少し話がしたい」
と景臣が申し出てきた。
「契約破棄は駄目だよ?」
「そんなことをするわけがないだろう」
「それならいいんだけどさ。……じゃあ、ちょっと、そこの小部屋で話をしようか」
と小牧が指したのは、ロビーの端にある小さな部屋。
小牧は受付に近寄って鍵をもらうと、先頭に立って歩いた。
「景臣がなにを言ってくるのか皆目見当もつかないんだけど、ロクでもないことであるのだけは分かる」
小牧は扉を閉めるなり口火を切り、景臣に視線を向けた。
景臣は小牧の視線を流しつつ、口を開いた。
「婚姻届は」
といいながら、景臣はジャケットの内ポケットから少ししわが寄った封筒を取りだした。
「ここに一式、そろえてきている」
「婚姻届と、それぞれの戸籍謄本」
「あぁ」
「なに? 書類がそろっているかの確認?」
「それもある。婚姻届に不備がないかも小牧、確認をしてほしい」
「うん、わかった。で……それだけではないんだろう?」
小牧とは、十朱の事務所で朝の十時に待ち合わせをしているということだったので、玲那は早めに準備をして待っていた。
役所は十朱の事務所のすぐ側にある。役所の側だからこそ、そこに建てたと景臣が説明をしてくれた。
いつものように景臣の運転で事務所へ行き、一階ロビーで小牧を待っていると、待ち合わせ五分前にエレベーターを使って降りてきた。
「やあ、おはよう」
「おはようございます」
「やー、玲那さんもとうとう人妻になってしまうのか」
小牧のその一言に、玲那の顔は真っ赤になった。
これは筒宮の家を支援してもらうための契約の一部とはいえ、小牧が言うように、玲那は景臣の妻となるのだ。それがたとえ書類上のみの関係になるかもしれないとしても、玲那は景臣と結婚したという正式な記録が残る。
「……役所に行く前に、少し話がしたい」
と景臣が申し出てきた。
「契約破棄は駄目だよ?」
「そんなことをするわけがないだろう」
「それならいいんだけどさ。……じゃあ、ちょっと、そこの小部屋で話をしようか」
と小牧が指したのは、ロビーの端にある小さな部屋。
小牧は受付に近寄って鍵をもらうと、先頭に立って歩いた。
「景臣がなにを言ってくるのか皆目見当もつかないんだけど、ロクでもないことであるのだけは分かる」
小牧は扉を閉めるなり口火を切り、景臣に視線を向けた。
景臣は小牧の視線を流しつつ、口を開いた。
「婚姻届は」
といいながら、景臣はジャケットの内ポケットから少ししわが寄った封筒を取りだした。
「ここに一式、そろえてきている」
「婚姻届と、それぞれの戸籍謄本」
「あぁ」
「なに? 書類がそろっているかの確認?」
「それもある。婚姻届に不備がないかも小牧、確認をしてほしい」
「うん、わかった。で……それだけではないんだろう?」

