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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第43章 【四十三話】第三の死体

□ ■ □
警察へ行くと、今回は違う人が話を聞きたいと言われ、玲那はホッとした。
無機質な部屋に案内されて、そこで玲那は今回の担当だという女性刑事に話を聞かされた。
いわく、川端多香枝は高級マンションの一室に一人で住んでいて、ここしばらく、姿を見かけていなかった。そして、多香枝の部屋の前を通りがかると腐臭がするという苦情が管理会社に入り、インターホンを押したが返事がなかった。
そのため、管理会社が把握していた緊急連絡先である娘の憂佳に連絡をしたが、連絡が取れなかった。依里佳が亡くなっていることは分からず、掛けたがやはりこちらも繋がらず。
事件性があるかもしれないと警察に連絡して、立ち会いの下、開けると──川端多香枝の死体が部屋にあったという。
詳しい検査はまだだが、簡易検査によれば、死後数日が経っているという。
「あの……」
「はい」
「わたしが呼ばれた、ということは……その、疑われている、ということですか」
思い切って聞いてみれば、女性刑事は困った表情を浮かべた。
「この一連の事件の担当は遠藤なんだけど」
遠藤と言われ、そういえば玲那を二回、取り調べをした刑事の名前だったと思い出した。
「あなたが怪しいから取り調べろって言うのよ」
「…………」
「でもね、ざっと今までの経緯を調べたけれど、山浦道弘氏はともかくとして、川端依里佳さんと多香枝さんとあなた、ほとんど接触がないでしょう? だけど、遠藤が言うから呼ばせてもらったの」
それで、と女性刑事は手帳を広げると、カレンダーを見ながら口を開いた。
「腐敗状況から、死後二・三日どころの話じゃないと思うのよね。死んでいた場所から玄関まではかなり遠いし、しかも機密性の高いマンションの中の臭いが洩れるって相当な話だと思うのよ」
「…………」
「玄関横の小窓が開いていたというから、そこから漏れ出た臭いとはいえ、いくら梅雨時で腐りやすくても、軽く死後一週間以上は経っていると思うのよ」
警察へ行くと、今回は違う人が話を聞きたいと言われ、玲那はホッとした。
無機質な部屋に案内されて、そこで玲那は今回の担当だという女性刑事に話を聞かされた。
いわく、川端多香枝は高級マンションの一室に一人で住んでいて、ここしばらく、姿を見かけていなかった。そして、多香枝の部屋の前を通りがかると腐臭がするという苦情が管理会社に入り、インターホンを押したが返事がなかった。
そのため、管理会社が把握していた緊急連絡先である娘の憂佳に連絡をしたが、連絡が取れなかった。依里佳が亡くなっていることは分からず、掛けたがやはりこちらも繋がらず。
事件性があるかもしれないと警察に連絡して、立ち会いの下、開けると──川端多香枝の死体が部屋にあったという。
詳しい検査はまだだが、簡易検査によれば、死後数日が経っているという。
「あの……」
「はい」
「わたしが呼ばれた、ということは……その、疑われている、ということですか」
思い切って聞いてみれば、女性刑事は困った表情を浮かべた。
「この一連の事件の担当は遠藤なんだけど」
遠藤と言われ、そういえば玲那を二回、取り調べをした刑事の名前だったと思い出した。
「あなたが怪しいから取り調べろって言うのよ」
「…………」
「でもね、ざっと今までの経緯を調べたけれど、山浦道弘氏はともかくとして、川端依里佳さんと多香枝さんとあなた、ほとんど接触がないでしょう? だけど、遠藤が言うから呼ばせてもらったの」
それで、と女性刑事は手帳を広げると、カレンダーを見ながら口を開いた。
「腐敗状況から、死後二・三日どころの話じゃないと思うのよね。死んでいた場所から玄関まではかなり遠いし、しかも機密性の高いマンションの中の臭いが洩れるって相当な話だと思うのよ」
「…………」
「玄関横の小窓が開いていたというから、そこから漏れ出た臭いとはいえ、いくら梅雨時で腐りやすくても、軽く死後一週間以上は経っていると思うのよ」

