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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第44章 【四十四話】人は死んだら星になる

□ ■ □
次の日の朝、玲那はいつもどおりの時間に起きた。景臣はすでに起きて、隣の部屋でコーヒーを淹れて新聞を読んでいるところだった。
これだけ見ると、普通の夫婦のように見えるのに、景臣はどこかに出勤することなくこのままずっと家にいる。
とそこで、景臣の服装がいつもと違うことに気がついた。
「あの、景臣さん」
最近では景臣は玲那と意思の疎通を図ろうとしていないのか、返事もしない。しかし視線がこちらに向いたことで話を聞くつもりではあるようだと思い、続けた。
「スーツ……というより、それ、喪服のように見えますけど、どこかにお出かけ、ですか」
景臣が出かけるときは必ず玲那も同伴することと言われていたようなのだが、そんな話は昨日、寝る前には聞いていない。それとも、玲那が寝た後に決まったのだろうか。
「小牧から遅くに連絡が入って、川端母娘の葬式をするらしい」
「……あ」
「参列すると返事をしたが、嫌だったか」
久しぶりに景臣からいたわるような言葉を聞き、玲那は涙ぐみそうになったが、首を振ってごまかした。
「いえ、参列いたします」
「わかった。それなら準備をして、朝を食べたら出かけるぞ」
「はい」
玲那は寝室に戻り、喪服に着替えて化粧をして、景臣とともに部屋を出た。
次の日の朝、玲那はいつもどおりの時間に起きた。景臣はすでに起きて、隣の部屋でコーヒーを淹れて新聞を読んでいるところだった。
これだけ見ると、普通の夫婦のように見えるのに、景臣はどこかに出勤することなくこのままずっと家にいる。
とそこで、景臣の服装がいつもと違うことに気がついた。
「あの、景臣さん」
最近では景臣は玲那と意思の疎通を図ろうとしていないのか、返事もしない。しかし視線がこちらに向いたことで話を聞くつもりではあるようだと思い、続けた。
「スーツ……というより、それ、喪服のように見えますけど、どこかにお出かけ、ですか」
景臣が出かけるときは必ず玲那も同伴することと言われていたようなのだが、そんな話は昨日、寝る前には聞いていない。それとも、玲那が寝た後に決まったのだろうか。
「小牧から遅くに連絡が入って、川端母娘の葬式をするらしい」
「……あ」
「参列すると返事をしたが、嫌だったか」
久しぶりに景臣からいたわるような言葉を聞き、玲那は涙ぐみそうになったが、首を振ってごまかした。
「いえ、参列いたします」
「わかった。それなら準備をして、朝を食べたら出かけるぞ」
「はい」
玲那は寝室に戻り、喪服に着替えて化粧をして、景臣とともに部屋を出た。

