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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第4章 【四話】話し合い
言い募ろうとした玲那を景臣は目線で止めた。
「行きたいところがないようでしたら、少し私にお付き合いいただいてもよろしいでしょうか」
「え……あ、はい」
そうだった。
景臣はなぜかタキシードを着て玲那を迎えにきた。ということは、景臣が目的もなくタキシードを着ていることはなく、元々玲那をどこかに連れて行くつもりでいたのだろう。
だけどそこがどこなのかは皆目見当もつかない。
「昨日も式でお食事もほとんど取れず、お疲れのところ申し訳ございませんが、筒宮さまとお話したことを合わせて、決めなければならないことがございますのでお付き合い、いただけますか」
そうだった。
玲那が自室で眠っている間、景臣と玲那の両親との間でなにかしらの話し合いがされていたのだ。
帰ってきたばかりの玲那に言った両親の言葉を単に発してされた、話し合い。
ロクなことではないのは玲那にも分かったし、なんとなく話の内容は察することができたが、しかし、景臣が道弘としたような話し合いをしたとも思えない。
だけど、あの両親があっさりとそれまでの実績があるとはいえ、景臣と二人きりで出掛けることに対してなにも言ってこなかった。
嫌な予感しかしないが、玲那にはそれを止める術はなかった。
道弘の時と同じように成り行きに任せ、身を委ねるという選択肢しかない玲那は、景臣の言葉に、了承したということを示すうなずきを返すことしかできなかった。
「行きたいところがないようでしたら、少し私にお付き合いいただいてもよろしいでしょうか」
「え……あ、はい」
そうだった。
景臣はなぜかタキシードを着て玲那を迎えにきた。ということは、景臣が目的もなくタキシードを着ていることはなく、元々玲那をどこかに連れて行くつもりでいたのだろう。
だけどそこがどこなのかは皆目見当もつかない。
「昨日も式でお食事もほとんど取れず、お疲れのところ申し訳ございませんが、筒宮さまとお話したことを合わせて、決めなければならないことがございますのでお付き合い、いただけますか」
そうだった。
玲那が自室で眠っている間、景臣と玲那の両親との間でなにかしらの話し合いがされていたのだ。
帰ってきたばかりの玲那に言った両親の言葉を単に発してされた、話し合い。
ロクなことではないのは玲那にも分かったし、なんとなく話の内容は察することができたが、しかし、景臣が道弘としたような話し合いをしたとも思えない。
だけど、あの両親があっさりとそれまでの実績があるとはいえ、景臣と二人きりで出掛けることに対してなにも言ってこなかった。
嫌な予感しかしないが、玲那にはそれを止める術はなかった。
道弘の時と同じように成り行きに任せ、身を委ねるという選択肢しかない玲那は、景臣の言葉に、了承したということを示すうなずきを返すことしかできなかった。