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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第50章 【五十話】嘘ではない、本当の「好き」(了)
 泉生に誘われ、玲那は近くのカフェへと入った。
 玲那はリンゴジュースを頼み、泉生はアイスコーヒーを頼んだ。
 そして奥まった場所に向かい合って座った。

「小牧と父と話し合って、近々、玲那さんに連絡を取ろうとしていたんだ」
「え……」
「景臣が今、どうしているか、聞いている?」
「いえ……。その、恥ずかしい話ですが、わたし、自分で料理をしたことがなくて、屋敷に帰ったらだれもいなかったから、その、自分でやるしかなくて、それで手一杯でして……」
「あぁ、それならよかったよ。泣き暮らしていたらどうしようかと思っていたから。景臣は……あのマンションにこもって、出てこない。それを思うと、玲那さんは強いな」
「強くないですよ。景臣さんのことを一刻も早く忘れようと思っていたくらい薄情な人間ですから」

 薄情ではないよ、と泉生。

「小牧と一緒に、景臣を尋問しに行ったんだよ」
「……尋問」
「小牧が珍しく景臣に対して怒っていたんだよね。それに玲那さんが離婚届を提出したと聞いたから、事情──というよりは本当に尋問だったね、あれは──に行ったら予想以上にひどくて。親父に相談して、玲那さんにお詫びに行かなければと話し合ったんだ」
「お詫び……」
「オレたちは景臣に対して甘かった。というのも、オレたちの責任であんな怪我を負わせ、男としての自信を失わせてしまった」
「…………」
「だけどオレたちは、景臣が生きてくれてさえいればいいと思っていた。たとえどんなひどいことを言って来ても、オレたちは無言で受け止める。腹が立つことはあったけれど、それであいつが生きてくれてさえいれば、と」

 なんとなくそんな空気が漂っていたけれど、景臣はそれが息苦しかったのかもしれない。

「景臣さんは」
「うん」
「それが辛かったのかもしれません」
「……そうかもな」
「景臣さんはわたしに対して確かにひどいことをしましたけれど、でも、優しいところもあります」
「……玲那さん、それ、思いっきりストックホルム症候群だよ」
「景臣さんにも言われましたけど、景臣さんが本性を現す前も後も、変わらず好きです」
「本性……ね。まあ、確かにあいつ、外面だけはいいからな」
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