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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第12章 【十二話】景臣の本性
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 二度の書き直しを経て、玲那と景臣は契約を交わした。
 景臣の運転する車に乗り込んだ玲那は、疲れ切っていた。

「玲那さん、お疲れのところ、申し訳ございませんが、もう一カ所、寄るところがございます」
「……そう」

 疲れていたけれど、あらがう気もない。

「私の両親に会っていただきます」
「……そうね、ご挨拶は大切ね」
「二人は先ほどの契約を知りません。私たちは普通に結婚することになったということになります」
「でも、道弘さんのことは」
「そのことですが、社長から、社長の身に何かあったとき、私が玲那さんを引き受けると約束していたということにします」

 さすがにそれはむちゃくちゃなのではないかと思ったが、景臣は続けた。

「親のすねかじりをしていた末っ子が、人をあまり信じない山浦社長の信頼を得たという演出。すてきだと思いませんか」
「あなた……」
「もっと猫を被っておこうと思ったのですが、小牧のせいではがれてしまったので、今さら取り繕う必要はないですよね?」

 景臣は目的地に着いたのか、ウインカーを出して曲がると、駐車場に車を止めた。

「それに、あなたと俺は夫婦になる。あなたが敬語攻めが好きというのなら、このままでいますけど?」

 景臣はエンジンを止めると、玲那に身体を向けてきた。その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいる。

「小牧にも言ったけれど、別に挿入なくてもあなたの身体を弄ぶのはたやすいのですよ、玲那」
「っ!」
「俺はあなたの身体を金で買った。だから俺はあなたの身体を好きにできる。本当ならいますぐここで押し倒して犯したいのを、我慢してるんだ」

 景臣はそう告げると、玲那の頬をするりと撫でた。

「どうやって社長との誓いのキスを阻もうかと悩んだ俺の苦労が分かるか?」
「……え」
「好きでもない男とでもキスしたりセックスしたり出来るのなら、俺とでも問題ないよな?」
「あ、あの」
「……っと、時間か。ほら、玲那、車から降りて。あの人たちは忙しい、待たせたらうるさいから行くぞ」
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