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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第1章 【一話】死体との対面
先延ばしをしたところで意味がないのは分かっているのだが、緊急事態で道弘がこの部屋からいなくなってくれればと思ってしまっただけに玲那は落胆してしまった。
「すみません、大切なお時間をお邪魔しまして」
「え……いえ」
むしろもっと邪魔して永遠に道弘と二人きりの時間なんてできなければいいのに、なんて玲那は考えていた。
「そっ、それにしても道弘さま、シャワー室に入ってかれこれ三十分は経つのだけど、なかなか出ていらっしゃらないの」
玲那は景臣とドア越しとはいえ、もう少し話していたくて不安に思ったことを口にした。
「道弘さまは普段から長風呂なのかしら」
道弘と会ったのは見合いの席と結婚式の打ち合わせの時に二・三度ほど。食事を一緒にしようという話もあったのだが、スケジュールが合わなくて結局、実現しなかった。だから道弘の普段の生活ぶりを玲那は知らない。
「社長がシャワー室に入ったのが三十分前ですか」
「ええ」
玲那の答えに、景臣は小さく唸った。
「社長は湯舟に浸かるのもあまり好きではないとおっしゃっていたくらいだから、そんなに長くシャワーを浴びているのは不自然ですね」
やはりこの状況は異常なのかもしれない。
「……顔色が悪かったから、もしかしてシャワー室で倒れているかも」
玲那はそう口にしてからどうしてもっと早くにその考えに至らなかったのかと思った。
「あの、わたし、様子を見てきます」
「すみません、大切なお時間をお邪魔しまして」
「え……いえ」
むしろもっと邪魔して永遠に道弘と二人きりの時間なんてできなければいいのに、なんて玲那は考えていた。
「そっ、それにしても道弘さま、シャワー室に入ってかれこれ三十分は経つのだけど、なかなか出ていらっしゃらないの」
玲那は景臣とドア越しとはいえ、もう少し話していたくて不安に思ったことを口にした。
「道弘さまは普段から長風呂なのかしら」
道弘と会ったのは見合いの席と結婚式の打ち合わせの時に二・三度ほど。食事を一緒にしようという話もあったのだが、スケジュールが合わなくて結局、実現しなかった。だから道弘の普段の生活ぶりを玲那は知らない。
「社長がシャワー室に入ったのが三十分前ですか」
「ええ」
玲那の答えに、景臣は小さく唸った。
「社長は湯舟に浸かるのもあまり好きではないとおっしゃっていたくらいだから、そんなに長くシャワーを浴びているのは不自然ですね」
やはりこの状況は異常なのかもしれない。
「……顔色が悪かったから、もしかしてシャワー室で倒れているかも」
玲那はそう口にしてからどうしてもっと早くにその考えに至らなかったのかと思った。
「あの、わたし、様子を見てきます」