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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第13章 【十三話】『筒宮』の名の重み
 それは玲那は初耳だったようで、思わず声を上げていた。

「おや、聞いていなかったのかい?」
「……はい」
「やはり、筒宮の名はほしいものだよ」

 昔ならいざ知らず、どうしてそんなにも筒宮の名を欲しがるのか、玲那にはまったく理解できない。
 玲那としてみれば、名よりも身体の中に流れる血を、次世代に繋げていくために結婚して子を残すことの方が重要だと思っている。だからそう言われた方が納得はできるのだが……。

「山浦社長はいくら円満で離婚できたとはいえ、話し合いはかなり長期に渡ったから、結婚はこりごりだとことあるごとに言っていたよ。それなのに、今回、再婚するというから、驚いたものだ」

 それほど筒宮の名は魅力的だということなのだろう。

「だからこそ、山浦社長は一人娘である玲那さんの身を案じたのだろうね」
「……そう、だったのですか」

 そこまで大切にされていたという実感はまったくなかったが、道弘なりにそう思っていたのだろう。

「不肖の息子であるが、よろしく頼むよ」
「…………」

 不肖の息子と言われて、玲那はどう返せばよいのか分からずに俯いた。

「それで、景臣」
「はい」
「女性の場合、再婚の場合は半年の期間制限があるが、二人はまだ入籍前だったよね。だからすぐにしても問題ないかもしれないけれど、せめて山浦社長の四十九日が過ぎてからにするように」
「心得ております」
「うむ、わかった。慌ただしくて申し訳ないが、スケジュールが詰まっていて、時間が来てしまった。また後日、食事をしながら色々話をしよう」
「……はい。お忙しいところ、ありがとうございました」

 結局、玲那と景臣は入口すぐの場所に立ったまま話を終えた。
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