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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第16章 【十六話】ふたりきりの部屋で
景臣はそう言うと、玲那の潤んだ瞳をじっと見つめてきた。
「普段は貞淑を装いながら、そうやって濡れた瞳で男を誘うなんて、淫乱以外の何者でもないでしょう」
「誘ってなど……」
「無意識の内にあちこちの男に色を振りまいているのを自覚していただかなければなりませんね」
玲那はそんなつもりはないので否定のために首を振ったが、それを阻止するようにあごを掴まれた。
「結婚で失敗をした社長がどうしてあなたとの再婚を了承したのか、分かりましたよ」
そういいながら景臣は玲那の瞳をじっと見つめていた。その瞳の奥に怒りに似た光を見つけ、玲那は息を止めた。
「あなたは男を惑わす。社長も間違いなくあなたのその色香にやられたのです」
そう言われれば、と玲那は思い出したことがあった。
幼い頃から道弘を知っている玲那は、離婚するまで大変だったらしいということはなんとなく知っていたし、道弘本人の口からも結婚はこりごりだということをことあるごとに口にしているのを聞いた。
そういえば、そうだった。道弘はよほどのことがない限りは再婚しないと言っていたのだ。
今回、玲那と結婚することになり、そして、景臣に出逢ってしまったことでそのことがすっかり飛んでいたけれど、そうだった。
「あなたのその艶やかな唇が動く度、男は妄想をするのです。だから腫れてしまえばいいと思ったけれど……食めば食むほど赤くなり、さらに妖艶になってしまった」
熱を持った唇に違和感を覚え、玲那は唇を噛みしめると、また、唇を重ねられた。
「柔らかいのに適度に弾力があり、それなのに俺の唇に吸い付いてくる」
舌で唇を舐められ、舌先が割り入ってきた。舌と舌をこすりあわされ、絡められた。
腰に当てられていた景臣の手は、玲那が座り込んだことで支えが必要なくなり、背中をなだめるかのように這わされた。大きくて熱い手が気持ちいいと思っていると、急に胸回りが楽になり、不思議に思っていると、両手首を胸の前で縛られている関係で寄せられて大きさがさらに強調された胸へと手が伸びてきた。
そしてそこで、玲那は気がついた。先ほど、胸回りが楽になったと思ったのは、ブラジャーのホックが外されたせいだったのだと。
「普段は貞淑を装いながら、そうやって濡れた瞳で男を誘うなんて、淫乱以外の何者でもないでしょう」
「誘ってなど……」
「無意識の内にあちこちの男に色を振りまいているのを自覚していただかなければなりませんね」
玲那はそんなつもりはないので否定のために首を振ったが、それを阻止するようにあごを掴まれた。
「結婚で失敗をした社長がどうしてあなたとの再婚を了承したのか、分かりましたよ」
そういいながら景臣は玲那の瞳をじっと見つめていた。その瞳の奥に怒りに似た光を見つけ、玲那は息を止めた。
「あなたは男を惑わす。社長も間違いなくあなたのその色香にやられたのです」
そう言われれば、と玲那は思い出したことがあった。
幼い頃から道弘を知っている玲那は、離婚するまで大変だったらしいということはなんとなく知っていたし、道弘本人の口からも結婚はこりごりだということをことあるごとに口にしているのを聞いた。
そういえば、そうだった。道弘はよほどのことがない限りは再婚しないと言っていたのだ。
今回、玲那と結婚することになり、そして、景臣に出逢ってしまったことでそのことがすっかり飛んでいたけれど、そうだった。
「あなたのその艶やかな唇が動く度、男は妄想をするのです。だから腫れてしまえばいいと思ったけれど……食めば食むほど赤くなり、さらに妖艶になってしまった」
熱を持った唇に違和感を覚え、玲那は唇を噛みしめると、また、唇を重ねられた。
「柔らかいのに適度に弾力があり、それなのに俺の唇に吸い付いてくる」
舌で唇を舐められ、舌先が割り入ってきた。舌と舌をこすりあわされ、絡められた。
腰に当てられていた景臣の手は、玲那が座り込んだことで支えが必要なくなり、背中をなだめるかのように這わされた。大きくて熱い手が気持ちいいと思っていると、急に胸回りが楽になり、不思議に思っていると、両手首を胸の前で縛られている関係で寄せられて大きさがさらに強調された胸へと手が伸びてきた。
そしてそこで、玲那は気がついた。先ほど、胸回りが楽になったと思ったのは、ブラジャーのホックが外されたせいだったのだと。