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九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
彩里はしばらく良人と二人きりで話させて欲しいと頼み、執事は承知して外に出ていった。
「何だ、今更、話すことなどないぞ」
俊秀はプイとそっぽを向く。
彩里が前に回り込み、俊秀の前に座った。
「あなた、落ち着いて私の話を聞いて下さい」
俊秀は頑なに首を振った。
「何も話す必要はないと言っただろう? それとも、お前は兵曹判書の屋敷に歓んで上がるとでも言いたいのか!」
彩里は俊秀の耳許に唇を近づけた。
「俊秀、あの執事の言うことは残念だけど、真実だわ。兵曹判書に逆らって、このまま無事で済むとは思えない。あれだけの権力を持つ男なら、あなたが商売できなくなるくらいのことは簡単にやってのけるでしょうよ。いいえ、下手をすれば、あなたの生命まで危うくなるかもしれない」
「何だ、今更、話すことなどないぞ」
俊秀はプイとそっぽを向く。
彩里が前に回り込み、俊秀の前に座った。
「あなた、落ち着いて私の話を聞いて下さい」
俊秀は頑なに首を振った。
「何も話す必要はないと言っただろう? それとも、お前は兵曹判書の屋敷に歓んで上がるとでも言いたいのか!」
彩里は俊秀の耳許に唇を近づけた。
「俊秀、あの執事の言うことは残念だけど、真実だわ。兵曹判書に逆らって、このまま無事で済むとは思えない。あれだけの権力を持つ男なら、あなたが商売できなくなるくらいのことは簡単にやってのけるでしょうよ。いいえ、下手をすれば、あなたの生命まで危うくなるかもしれない」