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九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
この建物は広大な庭を挟んで母家と向かい合う形で建っている。言わば、小さくても独立した離れだ。
ここが、今宵一夜、兵曹判書が彩里を意のままに陵辱する場所―寝所となるのだ。
部屋には既に派手やかな夜具がふた組、敷かれ、酒肴の乗った小卓まで用意されている。いずれも、先刻、女中が運んできた。寝所に案内される前、彩里は湯浴みし、女中たち数人で寄ってたかって身体を丹念に磨き込まれ、更に湯上がりの膚には香油を丹念に塗り込まれた。
今、彩里が纏っているのは純白の夜着であり、兵曹判書も同じく白一色の上下だ。ほのかに甘い花の香りが漂っているのは、侍女に塗り込められた香油のせいだが、彩里には、この匂いが鬱陶しいほど甘ったるくて眩暈と吐き気がしそうだ。
ここが、今宵一夜、兵曹判書が彩里を意のままに陵辱する場所―寝所となるのだ。
部屋には既に派手やかな夜具がふた組、敷かれ、酒肴の乗った小卓まで用意されている。いずれも、先刻、女中が運んできた。寝所に案内される前、彩里は湯浴みし、女中たち数人で寄ってたかって身体を丹念に磨き込まれ、更に湯上がりの膚には香油を丹念に塗り込まれた。
今、彩里が纏っているのは純白の夜着であり、兵曹判書も同じく白一色の上下だ。ほのかに甘い花の香りが漂っているのは、侍女に塗り込められた香油のせいだが、彩里には、この匂いが鬱陶しいほど甘ったるくて眩暈と吐き気がしそうだ。