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九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
彩里は小首を傾げ、上目遣いにソンイをも上げる。見ようによっては、随分と媚を含んだ仕種である。
「まあ、そうですの」
ソンイが不敵な表情で頷いた。
「儂には酒絶ちよりも女絶ちの方が辛い」
「大監さまの数々の武勇談は巷にまで聞こえておりますわ。ご身辺に侍らせている女人の数はゆうに両手では足りないほどだとか」
「ホホウ。どこでそのようなつまらぬ噂を耳にしたものか。そなた、可愛ゆい虫も殺さぬ顔をして、なかなか言うのう」
ソンイは不機嫌になるどころか、ますます上機嫌だ。
「まあ、そうですの」
ソンイが不敵な表情で頷いた。
「儂には酒絶ちよりも女絶ちの方が辛い」
「大監さまの数々の武勇談は巷にまで聞こえておりますわ。ご身辺に侍らせている女人の数はゆうに両手では足りないほどだとか」
「ホホウ。どこでそのようなつまらぬ噂を耳にしたものか。そなた、可愛ゆい虫も殺さぬ顔をして、なかなか言うのう」
ソンイは不機嫌になるどころか、ますます上機嫌だ。