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九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
「さあ、どうぞ」
彩里の白いほっそりとした手が銚子を捧げ持ち、杯を満たす。ソンイはその手に粘着質の視線を注いだ。
まるで今にも舌なめずりをしそうだ。どうやら、この助平男の頭の中には彩里を押し倒すことしかないようで、まさに捕らえた獲物を吟味しているハ虫類のようである。
が、彩里は杯が既に一杯になっているにも拘わらず、ずっと銚子を傾けている。
「おい」
ソンイが窘めるように言っても、彩里は相変わらずそのままの勢いで酒を注ぎ続けた。
ソンイの持つ杯から酒が溢れ出し、彼の手どころか夜着のズボンまで濡らす。
「何をしている、止めろ」
ソンイが苛立ったように叫んだ時、彩里が銚子をその場に放り投げた。
彩里の白いほっそりとした手が銚子を捧げ持ち、杯を満たす。ソンイはその手に粘着質の視線を注いだ。
まるで今にも舌なめずりをしそうだ。どうやら、この助平男の頭の中には彩里を押し倒すことしかないようで、まさに捕らえた獲物を吟味しているハ虫類のようである。
が、彩里は杯が既に一杯になっているにも拘わらず、ずっと銚子を傾けている。
「おい」
ソンイが窘めるように言っても、彩里は相変わらずそのままの勢いで酒を注ぎ続けた。
ソンイの持つ杯から酒が溢れ出し、彼の手どころか夜着のズボンまで濡らす。
「何をしている、止めろ」
ソンイが苛立ったように叫んだ時、彩里が銚子をその場に放り投げた。