この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
彩里がくるりと振り向く。首だけねじ曲げて、ソンイを見つめた。刹那、彩里の美しい双眸が輝きを増し、紅くなった。
彩里の眼(まなこ)は夜陰の中でひときわ妖しく輝き、ソンイの眼を射貫く。その炯々と光を放つ紅い瞳に射竦められ、ソンイは思わず身体中が総毛立った。
「ば、化け物だ、貴様は化け物に違いない」
うわ言のように呟きながら、後退るソンイを紅い眼の美女が睨み据える。
突如、突風が巻き起こり、絶え間なく降る雪が強い風に舞った。
「化け物―、この私が化け物だと、お前はそう言いやるのかえ?」
彩里が眼に更に力を込めると、ソンイの傷口が更に大きく開き、大量の血が溢れ出た。
雪に、血飛沫が散る。
何と美しい、禍々しい光景だろう。
見る間に、純白の雪は紅ひと色に染め上げられた。
彩里の眼(まなこ)は夜陰の中でひときわ妖しく輝き、ソンイの眼を射貫く。その炯々と光を放つ紅い瞳に射竦められ、ソンイは思わず身体中が総毛立った。
「ば、化け物だ、貴様は化け物に違いない」
うわ言のように呟きながら、後退るソンイを紅い眼の美女が睨み据える。
突如、突風が巻き起こり、絶え間なく降る雪が強い風に舞った。
「化け物―、この私が化け物だと、お前はそう言いやるのかえ?」
彩里が眼に更に力を込めると、ソンイの傷口が更に大きく開き、大量の血が溢れ出た。
雪に、血飛沫が散る。
何と美しい、禍々しい光景だろう。
見る間に、純白の雪は紅ひと色に染め上げられた。