この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
 彩里が行くと言ったのは、他ならぬ俊秀のためであるのは判っていたのだから。
 ふと、俊秀は視線を上げた。入り口の扉の向こうに、人影が映っている。
 小柄なその人影を認めた瞬間、彼は弾かれたように走って扉を開けていた。
「―彩里!」
 俊秀は彩里の華奢な身体をきつく抱きしめた。ひとしきり抱擁を交わした後、彼は自分の手が血に濡れているのに気づき、愕然とした。
「彩里、お前―、怪我をしているのか?」
 雪の降る中を逃げてきたのだから、髪に雪が乗っているのは当然だとしても、彩里の格好はあまりにも無惨すぎた。
 白の夜着は上衣を辛うじて纏ってはいるものの、肩から羽織っているというだけで、あちこち引き裂かれ、片袖は取れかかっている。あまつさえ、その夜着は血濡れていた―。
/215ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ