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九尾狐(クミホ)異伝
第4章 宿命
九尾狐の正体を知った者は、九尾狐がその人の傍からいなくならない限り、秘密を守るために掟破りの九尾狐ともども殺されるのよ。あなたをそんな目に遭わせるわけにはゆかないの」
「俺は、お前となら死んでも良い」
俊秀は思いつめたような眼で、きっぱりと言った。
彩里の眼に澄んだ雫が宿っていた。
「嬉しかったわ、今のあなたの言葉を私はこれから先もずっと忘れないでしょう。私の正体を知ってもなお、あなたが傍にいても良いと言うとは、正直なところ、私は考えていなかったの。だから、あなたが去れと言わない限り、ここにいると言ったのよ」
彩里が何かに堪えるように眼をギュッと瞑り、しばらくしてまた開いた。その黒い瞳には、強い決意の色が宿っている。
「俺は、お前となら死んでも良い」
俊秀は思いつめたような眼で、きっぱりと言った。
彩里の眼に澄んだ雫が宿っていた。
「嬉しかったわ、今のあなたの言葉を私はこれから先もずっと忘れないでしょう。私の正体を知ってもなお、あなたが傍にいても良いと言うとは、正直なところ、私は考えていなかったの。だから、あなたが去れと言わない限り、ここにいると言ったのよ」
彩里が何かに堪えるように眼をギュッと瞑り、しばらくしてまた開いた。その黒い瞳には、強い決意の色が宿っている。