この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
九尾狐(クミホ)異伝
第1章 忘れ得ぬ人
 赤銅色に灼けた膚とてらてらと脂ぎった禿頭は、茹でた蛸を連想させる。眼付きはおどおどと落ち着かず、険悪でありながらも大悪党にはなり切れない小心さも感じられた。
「一体、何なんだ。あれは」
 流石に、あの男の様子からして身内の急難を聞きつけたわけではないと察せられる。
 俊秀は大男のぶつかった左腕をさすりながら、眉をしかめた。
 それでなくとも、十一月初めとは思えない暑い一日となり、全身にじっとりと汗が浮かんでいた。あの大男のせいで余計に暑苦しくなったようで、俊秀は額に滲んだ汗を忌々しそうに拭う。
 思いついて袖に巾着と一緒に突っ込んである手巾を出して拭こうとした。が、幾ら手を入れてまさぐってみても、手巾は見当たらない。いや、手巾どころではない、巾着までもが―。
/215ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ