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九尾狐(クミホ)異伝
第1章 忘れ得ぬ人
「財布は返すから、頼む、手を緩めてくれ」
 蛸男の懇願に、少年は再び鼻を鳴らした。
「冗談、おじさんが盗んだ財布をここに乗せるまでは、手を放すつもりはないから、そのつもりで。肝心の財布を受け取る前に、とんずらされちまったら元も子もないからね」
「畜生、ガキのくせにやたらと疑り深い奴だ」
 蛸男が悪態を吐き散らすのに、少年は口の端を引き上げた。
「こういうのは疑り深いんじゃなくて、思慮深いっていうんだよ。判った?」
「っ、つう」
 蛸男が赤ら顔を苦悶に歪める。どうも、一一段と力を込めて手を捻り上げているらしい。
 俊秀は見かねて叫んだ。
「もう良い。君、もう、良いから、その男を放してやってくれないか」
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