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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
ヨンスはあれでなかなかの恐妻家だ。このヨンスの妻は、大人しく男の言うことを聞くような類の女ではない。良人が少しでも間違ったことを言おうものなら、忽ちに鍋釜が飛んでくるほど気の強い女だ。
ヨンスの立場になったらなったで、あんなに気の強い女房を持てば、気の休まる暇もなかろうとも同情的にもなる。かといって、ヨンスと女房が不仲かといえば、そうでもない。それは次々と子ができるのが何よりの証拠だ。
負けず嫌いの女房と〝男の沽券〟を何より重んじるヨンスの間はしょっ中喧嘩が絶えないが、二人は不思議と似合いの夫婦に見える。
まあ、判らないのが夫婦、いや、男女の仲というものなのだろう。と、恋人どころか、惚れた女の一人もいない俊秀は漠然と想像するしかない。
ヨンスの立場になったらなったで、あんなに気の強い女房を持てば、気の休まる暇もなかろうとも同情的にもなる。かといって、ヨンスと女房が不仲かといえば、そうでもない。それは次々と子ができるのが何よりの証拠だ。
負けず嫌いの女房と〝男の沽券〟を何より重んじるヨンスの間はしょっ中喧嘩が絶えないが、二人は不思議と似合いの夫婦に見える。
まあ、判らないのが夫婦、いや、男女の仲というものなのだろう。と、恋人どころか、惚れた女の一人もいない俊秀は漠然と想像するしかない。