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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
政治の実権を持ち、現実に世の中を動かしているのは、自分たちだけが人間で、貧しい庶民は獣に等しいと思い込んでいる貴族なのだ。
貧しい民から搾取することしか知らない高慢な両班連中への怨嗟の声は募る一方だ。
いつ、民の間で暴動が起きても不思議ではない―、とすら俊秀は思う。
時代は音を立てて流れ、この国も遠からず根本から崩れ去るだろう。そして、すべてのものがなくなった後に、また新しい国が、大地が生まれるだろう。その再生した国をこの眼で見てみたい。王さまも両班もなく、すべての民が等しく豊かに幸せに暮らせる国、そんな夢のような国ができれば。
俊秀は心から願わずにはいられない。
自分でも知らない中に、鼻歌が口を突いて出てきた。
貧しい民から搾取することしか知らない高慢な両班連中への怨嗟の声は募る一方だ。
いつ、民の間で暴動が起きても不思議ではない―、とすら俊秀は思う。
時代は音を立てて流れ、この国も遠からず根本から崩れ去るだろう。そして、すべてのものがなくなった後に、また新しい国が、大地が生まれるだろう。その再生した国をこの眼で見てみたい。王さまも両班もなく、すべての民が等しく豊かに幸せに暮らせる国、そんな夢のような国ができれば。
俊秀は心から願わずにはいられない。
自分でも知らない中に、鼻歌が口を突いて出てきた。