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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
やがて、大男が退場し、次の見せ物に代わった。今度は剣舞が始まる。
まだ十代後半に見える少年と少女が対になり、華麗な剣舞を披露している。華やかな衣装を身に纏い、くるくると躍るように流れるように優美に舞い、剣を巧みに操る。
二人が兄妹らしいのは、俊秀にもすぐ判った。二つ違いくらいなのだろう、双子と言っても遜色ないほどよく似ていて、しかも類稀な美貌の兄と妹だ。
息をもつかせぬ技の連続で、剣と剣が二人の間で飛び交う。見物人たちはまさに冷や汗ものだ。いつ手許が狂って剣の切っ先がズブリとどちらかに突き刺さるのではないか―と、誰もが真剣な眼で高く投げ上げられた剣のゆく方を追っている。
少し離れて立った兄と妹は剣をまるで鞠を投げ合うかのように放り投げては受け取り、また、投げては受け取り合っている。
まだ十代後半に見える少年と少女が対になり、華麗な剣舞を披露している。華やかな衣装を身に纏い、くるくると躍るように流れるように優美に舞い、剣を巧みに操る。
二人が兄妹らしいのは、俊秀にもすぐ判った。二つ違いくらいなのだろう、双子と言っても遜色ないほどよく似ていて、しかも類稀な美貌の兄と妹だ。
息をもつかせぬ技の連続で、剣と剣が二人の間で飛び交う。見物人たちはまさに冷や汗ものだ。いつ手許が狂って剣の切っ先がズブリとどちらかに突き刺さるのではないか―と、誰もが真剣な眼で高く投げ上げられた剣のゆく方を追っている。
少し離れて立った兄と妹は剣をまるで鞠を投げ合うかのように放り投げては受け取り、また、投げては受け取り合っている。