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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
「俊―」
 俊秀は、何か言いかけた彩里の口を自分の唇で荒々しく塞いだ。唇はやがて彩里の剥き出しになった肩口から、喉、鎖骨へと降りてゆく。
 まだ小ぶりで成長しきっていない胸の膨らみの先端が淡く色づいている。その可憐な秋桜を彷彿とさせる蕾に熱い唇が降りてきた刹那、彩里の華奢な身体が仰け反った。
 彩里の予期せぬ可愛らしい反応に、俊秀の欲望が一挙に燃え上がった。
「彩里、愛してる」
 俊秀はうわ言のように繰り返しながら、彩里の白い身体に唇を這わせていった。

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