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九尾狐(クミホ)異伝
第3章 月夜の変化(へんげ)
彩里が微笑む。
「あなたったら、何を心配しているの? こんな真夜中には、酔っ払いだって家に帰って熟睡しているわ。あなたが心配しているようなことは起こりっこないから、大丈夫」
「いや、駄目だ。絶対に夜中に一人で外に出てはいけない。どうしても俺の言うことが聞けないというのなら、これから、夜はお前の手に縄をつけ、それを俺の身体に繋いでおくぞ?」
彩里が呆れ顔で言った。
「どうやら、脅しだけではなさそうね、あなた」
「当たり前だ。大切なお前が他の男に攫われたりしたら、俺はどうやって生きてゆけば良い? もしお前に何かあれば、俺はその男を殺すだけでは済まないだろう。そいつを殺して、俺もお前の後を追う」
「あなたったら、何を心配しているの? こんな真夜中には、酔っ払いだって家に帰って熟睡しているわ。あなたが心配しているようなことは起こりっこないから、大丈夫」
「いや、駄目だ。絶対に夜中に一人で外に出てはいけない。どうしても俺の言うことが聞けないというのなら、これから、夜はお前の手に縄をつけ、それを俺の身体に繋いでおくぞ?」
彩里が呆れ顔で言った。
「どうやら、脅しだけではなさそうね、あなた」
「当たり前だ。大切なお前が他の男に攫われたりしたら、俺はどうやって生きてゆけば良い? もしお前に何かあれば、俺はその男を殺すだけでは済まないだろう。そいつを殺して、俺もお前の後を追う」