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情欲の塔
第2章 変態でスイマセン
と、その時。それは、はたと動きを止め、離れていく。

「えっ…?」
ぽつんと取り残された向こう側のソレは、物足りなさそうにヒクついている。さらなる刺激を求めるように、快感を求めるように。

「…終わったか?」
先に終えていた俺が、金髪イケメンに問いかける。

「ああ…」
息の上がった金髪イケメンが、尻コンから引き抜いた。一時の沈黙。…と、鍵の外れる音が聞こえた。

「…開いたみたいだな」
俺たちは無言で部屋を出た。廊下には誰もいない。暫く、お互いに口を開かぬまま、部屋を開けていく。

…まともな服が欲しい。

人間として真っ当なその思いとは裏腹に、服どころか何も見つからなかった。…あの怪しい指示書さえ。そんな階が何十階と続いた。階が上がるにつれ、目に見えて部屋数が少なくなっていったが、それでもかなりの時間を要したように思う。

そうしてやっと、本当にやっと、この建物の最上階らしきところへたどり着いた。そこには、階下と同じく廊下はない。扉もない。階全体が、一つの大きく開けた場所になっている。といっても、そこまで広くはないが。

そんな中、ポツンと真ん中に何かが置いてある。…箱のようだ。近づいてみると、思ったより大きい。高さは自分の腰ほどまでで、幅は1メートル前後だろうか。プレゼントのように、リボンが結びつけられている。

「開けろってことか…?」

「…多分」

なんなんだよ…とリボンをほどく。と、箱の側面が、バタンと四方に倒れた。そして、中から何かが飛び出す。

「助けにきてくださったのですね、勇者さま!」
素っ裸の若い女だった。姫と書かれた(もちろんこれも手書き)プレートを首から下げている。

「……は?」

「魔王に捕らわれた私を、救いにきてくださったのでしょう?」

魔王って…隣にいるコイツのことか?

「そして手放したくない魔王は、勇者の挑戦を受ける!私をめぐって戦うのね!…ああ、二人とも、私のために争わないで!!」

…なんだこいつは。

「まさかとは思うが…お前が全部やったのか?」
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