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同級生
第1章 シーン1  
「俺、多分、普通には付き合ってもらえないだろうと思う。みんなが見ている前だと由佳に普通に声かけることさえ出来ないから。」

「あんたとは話なんか普通にしたことないものね。あたしってそんな話づらい?」

「いや、こうして二人っきりでいたら、なんか普通に話できるけど、他の人がそばにいるとちょっと・・・」

「学校じゃ普通じゃん。」

「でも、意識すると声が出なくなるんだ。」

「あたしと二人なら平気なの。」

「ちゃんとした話が出来ないんじゃないかと思っていた。でも二人だけなら平気だって分った。俺、今までで一番由佳とちゃんと話してるもの。」

「そういえばそうだよね。学校でもおとなしい感じだったけど、ほとんどしゃべらないものね。」

「最初、どきどきしたんだ。帰っちゃったらどうしようとか。」

 こいつの目的は金じゃないみたい。かといっても、話聞く限り、ただでやらせろっていう雰囲気でもない。ま、今のところだけれど。

「帰ろうかと思った。まずいって。別人だってしら切り通そうかとも思ったけれど、指名してきてるということは、あたしって知って呼んでるわけで、こりゃあ駄目だと思って居直ったのさ。」

「きれいだよ。」

「え?」

「化粧した由佳って別人みたいにきれい。」
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