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第2章 昌希

「…そう、だね…」

小谷さんは弱々しく、頷いた。

「そうと決まれば、情報収集だよ。行きたい大学の通学圏内で、一人暮らしするのに必要な家賃や生活費の洗い出し、奨学金制度も調べた方がいいね。自分の今の偏差値で射程距離のとこかどうかとか、一番はそこじゃなきゃ学べない理由だ。データを集めて、分析して、去年の学祭でもやったでしょ？」

小谷さんはツキモノが落ちたような顔でふわりと笑った。

「そうだね、幸村くん…ありがと。やっと、私今自分がやることが見えてきた気がする…志望校にしても、親の都合で変えざるを得ないってトコに固執して、悲劇のヒロインみたいになってたんだわ…時間はないけど、私のやりたいこと、関西の大学じゃ出来ないのか、まずそこから調べなきゃね！」

「小谷さん、笑ってる方が可愛いよ。学校でも、素直に謝ってみたら？…こっちでも、友達を作りたいと思うんなら、ね。」

小谷さんは、泣きそうな顔で頷いた。