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運命の恋人
第3章 間宮 智之
…確かにそうだ。僕はうなだれるしかなかった。
「心配しなくても、あんたが女の子がダメだって知った時に、姉ちゃんは覚悟してるから。店は私が継ぐ。だから店の経理も手伝ってるんだし、私が龍沢さんと付き合ってるの、知ってるでしょ?」
龍沢さんというのは、家で働いてる職人さんの1人で、歳は30そこそこ。腕のいい杜氏さんだっ た。
「姉ちゃん、もしかして、僕の為に…?」
「勘違いしないで。龍沢さんと付き合ってるのは偶然。私はあの人が好きになったの。だけど、相手が龍沢さんならお父さんも文句は言わないと思う。」
黙り込んで俯いた僕の両こめかみを、姉ちゃんが握った人差し指の骨でぐりぐりしてきた。
「痛ッ!痛い、痛いってば!」
「安心しな。お父さんやお母さんには内緒にしたげる。長男だからって家に縛られることないよ。あんたはこれから、自分で自分の行く道を模索して、切り拓いていくの。男でしょ!?」
ばぁん!と思い切り背中を叩かれて、僕はよろめいた。
「心配しなくても、あんたが女の子がダメだって知った時に、姉ちゃんは覚悟してるから。店は私が継ぐ。だから店の経理も手伝ってるんだし、私が龍沢さんと付き合ってるの、知ってるでしょ?」
龍沢さんというのは、家で働いてる職人さんの1人で、歳は30そこそこ。腕のいい杜氏さんだっ た。
「姉ちゃん、もしかして、僕の為に…?」
「勘違いしないで。龍沢さんと付き合ってるのは偶然。私はあの人が好きになったの。だけど、相手が龍沢さんならお父さんも文句は言わないと思う。」
黙り込んで俯いた僕の両こめかみを、姉ちゃんが握った人差し指の骨でぐりぐりしてきた。
「痛ッ!痛い、痛いってば!」
「安心しな。お父さんやお母さんには内緒にしたげる。長男だからって家に縛られることないよ。あんたはこれから、自分で自分の行く道を模索して、切り拓いていくの。男でしょ!?」
ばぁん!と思い切り背中を叩かれて、僕はよろめいた。