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運命の恋人
第3章 間宮 智之
姉の全面的なフォローで、僕は地元を離れ、東京の大学に進学した。

大学を卒業して、そのまま東京の会社に就職して、今年でもう6年。家を出てからは10年が経った。
盆も正月も、忙しいことを理由に一度も帰ってない。家族とは、たまに電話で喋るだけ。

姉は言葉通り、杜氏の龍沢さんと結婚して店を継ぎ、今は経理の責任者として、母として、妻として、精力的に働いているらしい。
子供は男の子2人、女の子1人。

僕は世話になったせめてもの礼に、偶にお小遣いとか、田舎では手に入りにくいものを買って送ったりする。
子供たちにしてみたら、会ったこともないけど偶に何か送ってくる叔父さんだ。

代わりに姉からは毎年、その年に出来た新酒が数本ずつ送られてくる。

僕は日本酒が好きだから、それは素直に嬉しい。
自分でも飲むし、人にあげても喜ばれるから重宝している。
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