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運命の恋人
第3章 間宮 智之
3月半ば。
本決算直前に、宮本さんのお父さんが脳溢血で倒れ、そのまま亡くなった。
長男で、他に実家の会社を仕切れる人がいないという宮本さんが、すぐに帰らないといけなくなり、とりあえずは忌引きと有休消化で実家に帰って、仕事が落ち着いたら一度戻ってくる、というかたちで抜けた。
すぐに募集を掛けたけど、4月からの採用を控えて求職者自体が落ち着いてる時期ということもあり、なかなか後任者が決まらないまま、引継等々で一旦宮本さんは帰って来たけど、やっぱりこっちに腰を落ち着けることもできず、どうしても辞めなければならない、ということになった。

宮本さんもすごく心苦しそうだったけど、事情が事情だけにみんな文句も言えず、いい人が入社してくれることを願うしかなか った。

勿論時間は止まってくれないから、そのまま決算期に突入し、部長が苦肉の策で本社にヘルプを要請した。
本社も別に人員が余ってるわけじゃないし、決算で忙しいのは一緒で、すぐにOKの返事は来なかった。
ようやく1人ヘルプが来てくれたのは、決算処理も落ち着いた5月末。
本社も忙しい時期に転勤の打診もしにくかったみたい。
急な話だったから、仕方ない事だった。
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