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運命の恋人
第3章 間宮 智之
やっぱり幸村クンは、会社で僕のことを吹聴することはなく、僕は今まで通りの社会生活を送ることができた。

そして、盆休み明け。

本当は休みの間に伸びてきた髪を切りたかったのに、いつもの美容院の予約を入れようと電話を入れたら、指名していた美容師さんが辞めてしまっていた。

僕はクセ毛のせいで、美容師さんを選ぶ。
高校までは、田舎だし、男が髪を切るのに遠いとこまで行くなんて概念も無かった。そもそもスタイリストさんの腕ひとつでこんなに仕上がりも普段のセットも変わるんだ!ということを東京に出てきて知った。
お願いしてたスタイリストさんは、コッチに出てきて数年彷徨った挙句、やっと巡り会えた、満足行く仕上がりに切ってくれるヒトだったのに…いずれ独立するとは言ってたけど…こんな急に別れがやってくるなんて思いもしなかった…
あーぁ、またこれで美容院ジプシーに逆戻りだよ…


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