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運命の恋人
第1章 朋会
ただ、些細な言葉尻ではあるけれど、彼女は結婚の約束をしてたと言いながら、上の子のママになる約束とは言わなかった。
そこは「決めてた」つまり、相手の承諾を得ての約束でなく、自己完結だった、っていう可能性はないだろうか。

普通だったら、約束を反故にされて気の毒だ、としか思わないはずなのに、さっきのストーカーじみた行為が、そんな予感を抱かせた。

「…山崎さん?失礼を承知で聞くんだけど。それは、その、相手の男性とか、そのご家族とか、山崎さんのご両親とかも公認の、正式な婚約、ということだよ、ね?」

恐る恐る尋ねる。
山崎さんがキョトンとした顔をした。

「私が彼のお嫁さんになるって言って、彼も嬉しいって言ってくれました。彼に両親は居ませんし、18歳になれば結婚に親の承諾は必要ないでしょう?」

うーん。
言ってることは間違ってない、間違ってないんだけど、何だろう、何かが引っかかる…
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