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運命の恋人
第2章 昌希
お互い自己紹介して職員室を出、校内を案内して歩いた。

小谷さんは、東京から来たらしい。

「父がこの秋から海外赴任で…母は日本を離れたくないといったし、私は行っても良かったんだけど、治安面でも日本に残るように説得されたの。赴任が最低でも5年はかかるみたいで、母は実家がこっちだからその間実家に帰りたがって…その間東京のマンションは人に貸すことになってね。私は…大学は東京に行くつもりだし、こっちにくるメリットもあんまりなかったんだけど、ま、これも親孝行よね。」

聞いてもいないのによく喋る。

それが小谷 由香の印象だった。
顔は結構整ってて、髪は背中の中程まである真っ黒なストレートロング。

ウチの学校は、それほど校則が厳しくないから、茶髪NGじゃない。
制服があるから、金とか赤とかそんな髪色の子はさすがにいないけど、茶色はOKってなると、女の子はほとんど染めてて、黒髪のが少ない。
運動部でベリーショートで、制服じゃないと一見女子かどうか判別に困るようなコとか、三次元には興味ないんです、って看板背負ってるようないわゆるオタク系のコが染めてないくらいかな。
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