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運命の恋人
第2章 昌希
「ゴメンね、結局教科書も全部持って貰っちゃって…」

確かに教科書は結構な重さだった。男の俺でもこの暑さの中ではキツかった。そもそも全教科一気に持ち歩く事なんかまぁないし、進級時の教科書購入とは別に買わされた資料集とか参考書の類まで揃ってるんだから、女の子がいっぺんに持つのは絶対無理。かと言って複数回に分けて取りに来るにも交通費が掛かるし、第一面倒だ。

「いいよ。どう見ても小谷さんより俺の方が力あるし。それにコレ奢ってもらっちゃったし。」

「…それは…せめてものお礼…お店まで辿り着けても、1人でこれ持ってここまで歩くの絶対無理だし。タクシー使うこと考えたら、安いくらい。」

「教科書もタブレットへの配信になるって何年も前から言いながらさ、結局未だに紙だよねー。さっさとデジタル化すりゃいいのに。きっと何処かが絡んだオトナの事情ってヤツなんだろうけどさ。そんなのユーザーには関係ないっての。」
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