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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け
「お前は……」
すっかり存在を忘れて恥ずかしい姿を見られてしまったと凪は星来をぎろりと睨む
「いつまでここにいるつもりなんだ?」
「迎えが来るまで?」
星来は今呼んだんだと携帯を振る
「というかさっきから聞いててすごい気持ち悪いんだけど」
「は?」
「全て理解するって何? 神様気取り? 分かんないなら聞きなさいよこのヘタレ」
いきなりの毒舌に凪も美和もあっけとられて星来を見つめた
「お互いそんなことで相手嫌いになるような仲じゃないでしょ。近すぎて見えなくなってただけ。外野から見ればバカバカしいよ」
その言葉に凪がなにやらぴくりと反応するが、お嬢様は言いたい放題をやめない
「二人とも恋愛に夢見過ぎ。相手の全てが分かるとか、嫉妬しちゃいけないとか、人間としてありえないじゃない。受け入れなさいよ」
そこまで言い放ったところで、公園の入り口に黒い車が到着した
星来はそれをちらりと見ると
「じゃ」
と言ってそのまま振り返ることなく去っていったーーー