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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け
「なんか……今さらながら星来ってすごいね」
「ああ……」
遠くなってゆく車を見送りながら凪は小さく答える
本当に、どんな経験したらあそこまで悟ったこと言えるんだ
「どんな育て方されたらあそこまで上から物言えんだろうな」
「またそんなこと言って」
相変わらずの星来嫌いに美和はため息をつく
「美和……」
「え?……ンッ」
突然の口付けに美和は一瞬目を見開いた
しかしそれもすぐに閉じられる
"ああ、これだ……"
どうして忘れていたのだろう
「……大丈夫か」
さんざん貪るようにキスをしておきながら今になってそれを聞くか
「うん、まだちょっと混乱してるんだけど……でも大丈夫」
「家まで送る」
「ありがとう」
二人は互いに微笑み合うと、本当の幸せを噛み締めながら我が家へと足を向けたのだったーーー
その日はもう夜遅かったというのに、二人が共に帰ったということで和泉家も川本家も総出で大変だった
まず行方不明だった美和が見つかったという連絡が両家を駆け、出てきた兄妹が美和の母親と話す凪を見て(主に妹が)大喜び
が、後々美和と別れて家に入った途端、散々心配かけてだの言った通りでしょだの叩かれっぱなしでさすがの凪も参ってしまうほど。
その後陸の仲裁で凪は久々にゆっくりと休めるかーーーと思いきや、彼はその晩自分のベッドに横になりながらまた新たな決意を固めていたのだったーーー