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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け
「ナギサ……?」
美和の目に涙が溢れた
凪はそれをそっと拭い去り優しく笑って頷く
「凪…だよね……?」
「そうだ」
凪の腕が美和の背中に回る
長い間触れなかった彼女の温もりに凪は思わず彼女を強く抱き締めた
「……っ」
その胸の中で美和は涙を零す
「ごめんなさい…ごめんなさい……っ」
忘れてしまって伝えられなかった懺悔の言葉を今ここで吐き出してゆく
「私、怖かった…っ……自分が凪より凪を好きじゃないって……嫉妬もして……」
「嫉妬?」
凪が美和の顔を上げさせ不思議そうな顔をした
「なんで俺に嫉妬するんだ」
「だって……凪の方が勉強しないのに私より頭良くて……っ」
「……」
凪はびっくりして美和を穴のあくほど見つめた
「フッ……お前らしいな」
そういうとまた美和を自分の胸に埋めさせる
「俺の方こそ悪かった……お前を理解してなかった。お前の全てを……」
「ハァ…」
抱き合う二人の後ろで盛大なため息がつかれた