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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け
「ま、良かったんじゃないの。一時的にでも拠り所になれたわけだし」
「……」
離れた場所から二人を見つめる龍青と、その隣にはかつて同級生だった森継星来。
「まさか本当に和泉くんに取って代わろうと思ってた?」
星来は釘を刺しに来た相手に冷たく言い放つ
「そんな言い方……」
「あんたなんかが和泉くんの代わりになれるわけないでしょ。和泉くんがどうして人間不信になったか忘れたの?」
「何でそのこと……」
当事者以外の誰も知らないことを口にされ、龍青は目を大きく見開いた
「谷田くんに聞いたの。生憎と、私に心酔してたのは塚田寅次郎だけじゃないもので」
星来は更に追い討ちをかけるようにその時彼が谷田に放った言葉を繰り返す
‘どんなに理不尽でも義務は義務だよ。それを先輩に無断でさぼったんだから、自分から謝らないと。
ねぇ、和泉より先輩の言うことに従うべきだと思わない? だって先輩なんだから’
「谷田くんが言わないなら僕が先輩に言いに行く、とも言ったんだってね。
実際大事になったら先輩が彼を脅したって言ってたらしいけど、脅したの自分じゃん。大した正義の味方だね」