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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第8章 夜明け



「あのときは…どうかしてて……」

「ああ、別に責めてないから言い訳なんてしなくていいよ。そんなこと言える立場でもないし」



と言いつつ、さっきからかなり厳しいことを言っている

龍青は顔を俯かせたまま、ずっと逃げてきた後悔を突き付けられて震えていた



「弱い自分がずっと嫌だった…だから……」

「だから美和さんを守って強くなろうとした? ばっかじゃないの。自分より強い相手がいなくなっただけで、自分が強くなれたわけじゃ……」

「そんなこと分かってる!」



龍青は震える拳を握り締めて思わず立ち上がっていた



あの事件の時だって、凪に非難が集まったところで自分の正当性が認められたわけでもなく。

常に自分の中に負い目がある、そんな状況に陥っただけだった



「分かってるから……」

「……ならいいけど」



散々苦しむ彼の顔を見て、星来は微かに息を吐くと立ち上がった



「じゃあ、私はこの後約束があるから。

あ、美和さんとはちゃんと友達として付き合いなさいよ。そのくらいの辛さ、背負って当然なんだから」



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