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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い
「会わない方がいいと思うわ」
「なっ……!?」
凪は驚いて顔を上げる
「−−−…」
「……!」
その時彼は、崩れ落ちないよう必死で己を支えていた−−−
梅雨に入り、今日も空はどんよりと曇っている
その下で二人の男女がベンチに並んで座っていた
「で、今日は何? 和泉の話ならしないって言ったはずだけど」
頑なに口を閉ざす龍青に悠は溜め息をつく
「今日はただ美和ちゃんが来るから教えてあげようと思ったんだけど」
「あ、そう……」
龍青は申し訳なさそうに頷く
「ごめん」
「……」
謝られたのが面白くて、悠はプッと吹き出した
「もう、ホント真面目なんだから!」
ひとしきり笑い終え、詳細を伝える
「自宅療養して、午前中病院行って大丈夫だったら来るって」
「あ、でもなんで僕に?」
「気にしてると思って」
にやりと見られ龍青は慌てて顔を逸らした
「暇だからお礼に教えてよ、和泉くんのこと」
「そ、それとこれとは違うだろ!」
「龍青くんて意外とワガママだよねー。自分で口滑らせといてさ」