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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い
悠としては冗談だったが、そう責めるような言い方をされると言わなければと思ってしまう
「これは中学の時のことなんだけど……」
龍青は観念したように話し始めた
中学二年の途中まで、凪は友達も多く今とは正反対の性格だった
すぐにカッとなるところは同じだったが、少なくとも手は出さなかった
「なぁ和泉ー、ここ分かんないんだけどさ、教えて?」
「ここ……って、今日提出の範囲全部じゃねーかよ」
凪は呆れたように溜め息をつく
「だってわかんねーんだもん」
「しゃーねーな」
「凪! そんなことしてもその人の為にならないでしょ!」
「あー、うるせー」
美和の注意も、ただ笑って受け流していた
「お前マジくそ真面目だよなー」
そしてそんな人気者の彼が所属していたのが、野球部だった
事の発端は中学二年の夏前
「ん? おい、谷田見なかったか?」
「あー、なんか北里と一緒にグラウンド残ってたぞ」
その頃いちいち人のことを気にするほど面倒見の良かった凪は、様子を見にグラウンドへ向かった
「ほら! あと二十!」