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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第4章 狂った歯車
凪は忌々しいものから逃れるように首を振って立ち上がった
「美和ちゃんに会いに来たんだよね?」
「……違う」
「だってそうじゃなきゃこんな所いないでしょ。今は一人暮らしで美和ちゃんのアパートに住んでないことくらい知ってるよ」
「……っ」
更に否定しようと凪は口を開いた
兄に呼び出されたとか、妹が風邪だとか、いくらでも言い訳は出来る
「……」
だが面倒なのでやめた
今はさっさとこの場所から離れたい
「あ、待って!」
立ち去ろうと向きを変えた凪を悠は引き止める
「なんだ。用がないなら……」
「このままでいいの!?」
「……は?」
イラついた目を向ける凪を悠はしっかりと見据える
「美和ちゃんは龍青くんが幼なじみだと思ってるの!」
「……!」
「凪くんのいた記憶が全部龍青くんになっちゃってるの!」
「だからなんだ。どうしようもないだろ」
それでも、と悠は首を振る
「俺はいない方がいい。だからアイツの本心がそうした」
「そんな風に諦めるの……凪くんらしくないよ」
「俺らしい!? お前に何が分かる! たった一度話しただけのお前に!」