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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第4章 狂った歯車
「ほっとけ。俺なんかに関わるな」
「なんかとか言わないで!」
「……!」
立ち去ろうと背中を向けた凪の腕を悠は強く引っ張る
「美和ちゃんはそんな風に言わなかったはずだよ! もっと自分のこと大切にしてよ!」
「……っ」
そう言って真っ直ぐに自分を見る瞳
あいつと、同じ−−−
「……放せ」
耐え切れずに凪は目を逸らした
「このまま美和ちゃんが思い出してくれなくてもいいの? 自分の代わりに龍青くんのこと見てて、諦められるの?」
「うっせーな……俺といるよりリュウといる方が良いだろ」
「そんなのわかんな……」
「俺といたからトラブルに巻き込まれてきたんだよ! いつもいつも!」
遂に凪が怒鳴った
森継のときも、不良に攫われたのも、今回も−−−
「忘れてた方が良い」
そして悠の腕を振り切って今度こそ去ろうとする
「なっ……お前、どんだけ馬鹿力……っ」
「凪くんは……どうするの」
解かれないよう強く凪の腕を握り締めながら悠は言った
「凪くんは一人で平気なの? また一人に戻るの?」
「っ……ほっとけ」