この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第4章 狂った歯車
だが彼女が離れる気配は全くない
「私が……私が、いるから」
「…何言って……」
「凪くんばっかり辛い思いするのおかしいよ! 私は絶対離れないから。
何があっても一緒にいるから!」
「……」
美和と重なるその瞳
一度孤独を味わった彼は、その瞳に弱かった
「分かった……分かったから、そんな顔するな」
凪は手を伸ばし、悠の目の端に浮かんだ涙を拭う
その手はそのまま頬を包み、凪の唇がそっと彼女に触れた−−−
「……う、悠?」
「へっ? え、あ、何?」
「何って、話聞いてた? 週末遊びに行かないかって話」
美和は呆れて目を回した
「週末……」
「用事ある?」
「週末はその……と、突発性のバイトがあって!」
「突発性……?」
美和はぷっと吹き出す
「そっか、じゃあしょうがないね」
「うん、ごめんね。龍青くんとデートしてきて!」
茶化すようにそう言うと、時計を確認して飛び上がった
「もうこんな時間!? ごめん、私これから用事あるんだ!」
「あ、うん」
そう言って悠はあっというまに姿を消した